西武商事がSuica自販機を採用
【情報源】
JR東日本ウォータービジネスは2012年5月31日、埼玉県や東京都で自動販売機を展開する西武商事が、JR型のSuica(スイカ)対応自動販売機を展開すると発表しました。
西武商事は1975年設立の清涼飲料水卸売販売業者で、ホームページによるとグループ年商は70億円(2008年度)です。電子マネー・鉄道ICカードのPASMO(パスモ)に加盟している西武鉄道とは直接の関係はありません(西武グループの企業ではない)が、西武沿線に多数の自動販売機を展開しています。
既にPASMOエリアではSuicaも使えるPASMO自動販売機が多数設置されていますが、PASMOエリアでもSuica自動販売機を見る機会が増えそうです。利用者の視点から見れば、Suica自販機でもPASMO自販機でもあまり変わりはありませんが、全体としてSuica/PASMO対応の自販機が増えれば利便性が増しそうです。
新広告「ストラッぴ!」、吊革が全部ICカードリーダー
【情報源】
- SankeiBiz 【キラリ!わが社の商品・サービス】春光社 交通広告の可能性拡張
- 春光社 日本初!FeliCaリーダーを内蔵したつり革広告媒体『ストラッぴ!(仮称)』登場!
- ビー・ユー・ジー つり革広告媒体「ストラッぴ!(仮称)」にBUG製FeliCaリーダーを採用
2012年5月21日から6月3日まで、東京メトロ銀座線と丸ノ内線で各1編成、吊革にFeliCa(フェリカ)リーダーを内蔵した地下鉄車両が走っています。吊革にFeliCa対応のおサイフケータイでタッチすると、特定のサイトに簡単にアクセスできます。
この広告商品を企画したのは交通広告代理店の春光社です。「ストラッぴ!」の名前で実用化。第1号として、エイチ・アイ・エスの格安旅行商品「スーパーバザール」の広告に採用しました。
おサイフケータイが広く普及した現状で、交通広告の新しい試みとして興味深い取り組みです。ただ、ポスターやステッカーなどの広告からウェブサイトに誘導することは通常の印刷(検索キーワードの例示、QRコードなど)でも可能で、FeliCaならではの付加価値を出せるかどうかが普及の鍵を握りそうです。
USB小型ICカードリーダー「楽天Edyリーダー」を発売
【情報源】
電子マネー「Edy(エディ)」を運営する楽天子会社のビットワレットは2012年5月28日、USBメモリー型のICカードリーダー/ライター「楽天Edyリーダー」を発売すると発表しました。販売は6月1日からで、主に楽天市場内で販売します。楽天市場での販売価格は1800円(税込み、送料別)です。
重さは8.4グラムで、Windowsパソコンやプレイステーション3のUSBポートに差し込む形で動作します。現時点では詳しいアナウンスはありませんが、Edy以外にもSuica(スイカ)やWAON(ワオン)、おサイフケータイなど、FeliCa(フェリカ)準拠の各種鉄道ICカード・電子マネーも読み取れそうです。
ただし、FeliCa以外のICカード規格には対応しておらず、確定申告など公的個人認証サービスには使えません。ウェブサイトでも「e-Taxをされる場合は、パソリ(PaSoRi)をお買い求めください」とアナウンスしています。
既にNFCやType-Bなど他のICカード規格に幅広く対応したICカードリーダー/ライター製品が既に数多く出回っており、楽天Edyリーダーは機能面で見劣りします。他製品に比べて、価格もさほど安いわけではありません。ただし、楽天好き・ガジェット好きや電子マネー初心者には価値のある商品になるかもしれません。
B-CAS対応ICカードリーダー、ネット上でも品薄
先日、B-CAS(ビーキャス)不正改ざん騒動で、ICカードリーダー/ライターが品薄になっている件について触れましたが、5月28日時点では、インターネット通販でも「B-CAS対応」をうたうICカードリーダー/ライターが購入しづらくなっているようです。即納在庫はほぼ払底しているようで、中古品が5000円〜10000円といった価格で販売されています。一方で、6月上旬〜下旬の納期で、2000円〜3000円の新品の予約を受け付ける動きも出ています。
例えばAmazon.comでは、「B-CAS」というキーワードで検索すると、「B-CAS対応」をうたうICカードリーダー/ライターが多数ヒットします。「変換名人 ICカードリーダーライター B-CASカード対応 PX-ICCR01」「NTT-ME SCR3310-NTTCom」などの商品が軒並み品切れになっています。
楽天市場でも同様の状況ですが、一部に6月入荷分の予約を受け付ける動きがあります。
もちろん、ICカードリーダー/ライターを使ってB-CASカードを不正改ざんして放送を視聴するのは違法行為です。多くの人がICカードリーダー/ライターを入手できる頃には、放送事業者や行政当局などが新たな不正対策を講じている可能性もありそうです。
【追記】update 2012/06/04
B-CAS特需は一巡しつつあるようで、Amazon.co.jpなどではさほど割高な価格設定ではない新品在庫が見られます。
- NTT-ME SCR3310-NTTCom → 出品者から新品購入可能
- SHARP RW-5100 → 出品者から新品購入可能
- Gemalto ジェムアルト PC USB-TR HWP119316 → 新品購入可能
- SCM SCR3310/v2.0 【簡易パッケージ品】 → 新品購入可能
【追記】update 2012/05/29
e-Tax用のはずのICカードリーダーが品薄、B-CAS騒動余波
【情報源】
AKIBA PC Hotline!によると、東京・秋葉原の電気街で、パソコンに接続して使う汎用(ISO規格)のICカードリーダー/ライターが全般に品薄になっているようです。ICカードリーダー/ライターは通常、鉄道ICカード・電子マネーの読み書きや、e-Tax(確定申告)など公的個人認証サービスの利用のために使われます。ところが今回は、B-CAS(デジタルテレビ放送の有料課金や不正コピー防止に使われるICカード)の不正改ざん騒動による“特需”が発生したようです。
B-CASカードはISO規格準拠の接触ICカードで、これを読み書きできるタイプのICカードリーダー/ライターが売れているようです。ICクレジットカードやICキャッシュカードなどでよく見かける金属端子がむき出しのカードと同様の規格です。日本国内の鉄道ICカード・電子マネーでよく使われる非接触ICカード規格(Type-C/FeliCa)とは規格が異なります。
一部ネットユーザーの間では「当局がICカードリーダー/ライターの販売規制をしているのでは」という見方も出ているようです。しかし、今回品薄になっているICカードリーダー/ライター自体は国際標準に準拠した汎用品であり、当局が製造・流通を規制することは不可能です。メーカーは国内・海外を含めて多数存在しており、各社が増産体制を整えれば、日本国内だけの特殊事情による品薄状態はあっと言う間に解消されるでしょう。
そもそも、国際標準に準拠しており、e-Tax(確定申告)などにも使われる社会インフラになっているICカードリーダー/ライターの流通を規制するなど、あり得ないことです。
もちろん、こうしたICカードリーダー/ライターの入手自体は違法ではありませんが、これを使ったB-CASカードの不正改ざんは明らかな違法行為です(放送法などに違反)。ただし、ICカードリーダー/ライターが合法的に流通し、不正改ざんに関わる情報もインターネット上などで幅広く流通しているのが実情。放送事業者や行政当局などが不正改ざんの個別事例を突きとめて取り締まるのには一定の困難がありそうです。