e-Tax用のはずのICカードリーダーが品薄、B-CAS騒動余波

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AKIBA PC Hotline!によると、東京・秋葉原の電気街で、パソコンに接続して使う汎用(ISO規格)のICカードリーダー/ライターが全般に品薄になっているようです。ICカードリーダー/ライターは通常、鉄道ICカード電子マネーの読み書きや、e-Tax(確定申告)など公的個人認証サービスの利用のために使われます。ところが今回は、B-CASデジタルテレビ放送の有料課金や不正コピー防止に使われるICカード)の不正改ざん騒動による“特需”が発生したようです。

B-CASカードはISO規格準拠の接触ICカードで、これを読み書きできるタイプのICカードリーダー/ライターが売れているようです。ICクレジットカードやICキャッシュカードなどでよく見かける金属端子がむき出しのカードと同様の規格です。日本国内の鉄道ICカード電子マネーでよく使われる非接触ICカード規格(Type-C/FeliCa)とは規格が異なります。

一部ネットユーザーの間では「当局がICカードリーダー/ライターの販売規制をしているのでは」という見方も出ているようです。しかし、今回品薄になっているICカードリーダー/ライター自体は国際標準に準拠した汎用品であり、当局が製造・流通を規制することは不可能です。メーカーは国内・海外を含めて多数存在しており、各社が増産体制を整えれば、日本国内だけの特殊事情による品薄状態はあっと言う間に解消されるでしょう。

そもそも、国際標準に準拠しており、e-Tax(確定申告)などにも使われる社会インフラになっているICカードリーダー/ライターの流通を規制するなど、あり得ないことです。

もちろん、こうしたICカードリーダー/ライターの入手自体は違法ではありませんが、これを使ったB-CASカードの不正改ざんは明らかな違法行為です(放送法などに違反)。ただし、ICカードリーダー/ライターが合法的に流通し、不正改ざんに関わる情報もインターネット上などで幅広く流通しているのが実情。放送事業者や行政当局などが不正改ざんの個別事例を突きとめて取り締まるのには一定の困難がありそうです。