名古屋圏の電子マネーはSuica・QUICpayの草刈り場に

【情報源】朝日新聞 http://www.asahi.com/business/update/0330/NGY200803300001.html

asahi.comに「JR東のスイカ、東海地方に浸透 出張・転勤族狙う」という記事が出ていました。

記事には、

イカの東海進出の背景には、JR東海のIC乗車券「トイカ」では商品の購入ができず、名古屋鉄道名古屋市営地下鉄にはIC乗車券もないことがある。

とあります。29日から東海地方で使えるTOICA(トイカ)と、首都圏などで使えるJR東日本Suica(スイカ)の相互利用が始まりましたが、電子マネーとしては相互利用できません。どういうわけか、TOICAはまだ電子マネーサービスを始めていないからです。

その分、名古屋圏の市場は他の電子マネーの草刈り場になっていて、Edy(エディ)や、ご当地のトヨタファイナンスが推進するQUICpayクイックペイ)が浸透しつつあるところに、エリアが違うはずのSuicaPASMOが割り込むという、不思議な構図になっています。

JR東海にとっては、TOICAを使った電子マネーサービスを自前で始めれば得られるはずの決済手数料が、JR東日本など他社に流れることになるので、何らかの対応が必要になると思われます。

ところで、朝日の記事では、関西私鉄系ICカードPiTaPaピタパ)の存在に触れていません。名古屋駅に乗り入れる近鉄ではPiTaPa乗車券が使えるため、名古屋圏には一定数のPiTaPa保有者がいて、PiTaPa電子マネーが使える店舗もあります。

名古屋鉄道は、近鉄や南海などPiTaPa陣営の鉄道会社としばしば共同キャンペーンをやるなど近しい関係にあります。名古屋鉄道名古屋市営地下鉄PiTaPaを採用するようなことになれば、名古屋圏の電子マネー市場も盛り上がりそうです。