東海道新幹線EX-IC、安いとは限らない複雑な料金体系
【情報源】JR東海、JR西日本 http://expy.jp/
東海道新幹線にICカードや携帯電話で乗車できるサービス「EX-IC」が29日、東海道新幹線(東京=新大阪間)の全駅で始まりました。
これまでにも「エクスプレス予約」というサービスがありましたが、駅で紙の切符を受け取る必要がありました。EX-ICでは“チケットレス”になり、在来線と同様に新幹線自動改札機にEX-ICカードをタッチすれば使える改札機を通れます。在来線との乗り継ぎの場合は、Suica(スイカ)やTOICA(トイカ)、ICOCA(イコカ)、PiTaPa(ピタパ)のカードとEX-ICを重ねて新幹線自動改札機にタッチすることになります。
完全に“ペーパーレス”というわけではなく、入場時には「ICご利用票(座席のご案内)」という紙が改札機から印刷されます。このあたりの運用は、JALやANAのICチケットレスサービスと似ています。
運賃は「チケットレス運賃」が適用され、東京・品川=新大阪は13000円です(運賃比較は下の表参照)。一見安く思えますが、新幹線と在来線を乗り継ぐ場合、特に在来線特急に乗り継ぐ場合は割高になることが多いので注意が必要です。その辺も含めた運賃の詳細は、
http://expy.jp/member/exic/exic_navi.html
で調べられます。
紙の切符かICカードか、のぞみかひかり・こだまか、通常期か繁忙期かなどの要素も入るので、運賃体系はとんでもなく複雑化して、容易に理解できなくなってしまいました。4月1日以降、企業の総務部・経理部などと、駅窓口は大混乱になるかもしれません。領収書のウェブ発行サービスを開始するなど、東海道新幹線に多いビジネス客にも一定の配慮がされています。
携帯電話機(おさいふケータイ)のタッチでも新幹線に乗れますが、どういうわけか、当面はJR東日本の「モバイルSuica」の会員しか使えないという変則的な運用になっています(JR東海の新幹線に乗るのに、JR東日本のモバイルSuicaに入会する必要がある)。このあたりは今後改善されるのかどうか気になるところです。
EX-IC、エクスプレス予約、通常発券の運賃比較表(サービス開始時点)
区間 | EX-IC 新幹線チケットレス |
エクスプレス予約 (紙発券) |
通常の指定席 (のぞみ、通常期) |
通常の自由席 (のぞみ、毎日共通) |
---|---|---|---|---|
東京・品川=新大阪 | 13000円 | 13200 | 14050 | 13240 |
東京・品川=京都 | 12470 | 12670 | 13520 | 12710 |
東京・品川=名古屋 | 9830 | 10030 | 10780 | 10070 |
上野=大阪(在来線乗り継ぎ) | 13310 | 13200 | 14050 | 13240 |
横浜=山科(在来線乗り継ぎ) | 12180 | 12040 | 12890 | 12080 |
東京=下呂 (在来線自由席特急乗り継ぎ) |
13820 | 13390 | 13250 | 12540 |
※EX-ICには、東京都区内・特定市内駅のどの駅でも乗り降りできる制度がない。在来線に乗り継ぐ場合は別料金が必要。在来線特急乗り継ぎ割引もない。
※エクスプレス予約(紙発券)には、在来線特急乗り継ぎ割引がない。